長辻象平 ルイセンコの悪夢 今、地球温暖化問題で再び

 温暖化が地球規模の関心事になっている。国連のグテレス事務総長も人類の未来はないと言わんばかりの強い警告を発し続ける。日本政府も欧州諸国に倣って2050年の温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロを表明した。米国も「パリ協定」に復帰して脱炭素の動きは一段と勢いを増している。ガソリン車などが悪の根源として粛清されそうな雲行きは不穏なエネルギー革命前夜を思わせる。

 科学の歴史を顧みると主流の説に異論を唱えにくい状況が最も危うい。20世紀のソ連で信奉された「ルイセンコ理論」の不条理が思い起こされる。
https://www.sankei.com/article/20210303-SZGBYVAC3FIWRAOF7NFF227FOA/