新型コロナウイルス対策としての「まん延防止等重点措置」の適用期限が、埼玉県内で6月20日まで再延長された。4月20日に始まった重点措置は当初、5月11日を期限としていたが、同31日まで延長されていた。今回の2度目の延長で、県による飲食店への時短営業や酒類提供自粛の要請が、2か月近くも続くことになる。飲食店の中には「もう我慢は限界」と、長期化する措置に耐えかねて、夜遅くまでの営業や酒の提供などに踏み切る店も出始めている。

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 「これまではなんとか県の要請に応じてきたが、さすがにもう限界だ」

 大宮東口商店街連絡協議会(さいたま市大宮区)の栗原俊明会長(46)は、苦しい胸の内を明かす。

 県は重点措置の再延長を受け、さいたま、川口市など対象地域15市町で、飲食店などへの午後8時までの営業時間短縮と酒類提供の終日自粛要請を継続する。

 だが、栗原会長は「いつまで持ちこたえられるかわからない店が多い。すでに営業を再開させる店舗も出てきている」と話す。

 栗原会長の言葉どおり、JR大宮駅前周辺の飲食店では、午後8時以降までの営業を再開したり、昼間から酒を提供したりする店も増え始めている。通りでは「お酒を出せますよ」との声がかかり、満席となった店の前で列を作る客の姿も見られる。

 ある居酒屋では、1度目の延長期限翌日の5月12日から、経営する5店舗のうち2店舗で午前0時までの通常営業に戻し、昼間から酒の提供も再開した。「協力金だけではスタッフの生活を支えることは到底できない。苦渋の決断」だったと強調する。県の要請に従っていた期間の売り上げは1日3万円ほどだったが、通常営業に戻すと、その3倍になった。「自粛した方がいいことはわかっている。でも、このままでは生きていけない」と訴えた。

 県庁のお膝元として職員のチェックの目が光る浦和区でも、通常営業を再開する店が出ている。酒の提供を含めた通常営業を5月12日に再開した、JR北浦和駅前にある居酒屋の男性オーナー(42)は「赤字の累計が2000万円に達し、運転資金を借りたとしても倒産が現実味を帯びてきた」と再開の理由を説明。「過料を払うことも覚悟の上」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4839b6f0a0a2367ebc4bd4fee0e4700f59bbe65f
6/1(火) 6:42配信