社会は変わるし、変えられる――志位さんと語る学生オンラインゼミ(3)

■「借金を増やしても心配はいらない」という立場にはくみしない
 中山 では、学生の方から質問などありますか。

 学生 ありがとうございます。借金について調べているときに、「日本の円は信頼があるから、借金はとくに問題がないんだ」という意見だとか、
そういうものをよく耳にするんですけれど、そういうものについてどうとらえたらいいのか、また、共産党はどう考えているのかを教えてください。

 志位 私たちは、「借金を増やしても心配はいらない」という立場には、くみしません。
たしかに、日本の場合は、借金のほとんどは外国ではなく、国内で借りたものですし、いざとなれば日本銀行がお金を発行して国債を買ってしまうこともできます。
しかし、「財政破たん」というのは、「借りたお金が返せない」ということにかぎらず、別の形で起こることもあるんです。

 いざとなれば日銀がお金を発行できるといっても、好き勝手にいくらでもできるわけではありません。
お金というのは、物やサービスを売り買いするための手段ですから、物やサービスの流通量に見合ったお金の量が必要になります。
物やサービスとの関係で、お金ばかりがどんどん膨らんでいったらどうなりますか。お金の価値が下がってしまいますね。
お金の値打ちが下がるということは、「インフレ」になるということです。

 多少の「インフレ」ならともかく、年に10%とか20%もの急激な「インフレ」になったらどうなるか。そうなると、働く人の実質賃金がどんと下がってしまう。
あるいは、なけなしの貯金もぼーんと目減りしてしまう。国民にとっての大被害が起こります。
戦後の一時期、ものすごい「インフレ」が起こって、そういう大被害が起こったことがありましたが、そういう問題があるのです。

 「インフレになったら、その時は政府の財政支出を減らしたり、増税したりして、借金が増えるのを減らせばいい」という議論がありますが、
これは理屈ではそうだったにしても、実際にはできません。「インフレ」で物価が上がって、ただでさえ暮らしが苦しくなっているときに、
「消費税を増税する」とか、「社会保障を削る」ということをしたら、暮らしの破壊に追い打ちをかけることになってしまいます。

 ですから、私たちは、「借金を増やしても心配ない」という立場にくみするわけにはいかないということを、言いたいと思います。

 大企業、富裕層にきちんと税金を払ってもらって、あるいは、5・4兆円にもなった軍事費にメスをいれて、財源をつくっていくという道を進みたいと思います。
財政について考えの違う人とも、そういう点は一致すると思うんですよ。そういう一致点で協力するということもやっていきたいと思います。

■経済停滞の原因は、借金を増やしても、国民の暮らしのために使われていないから
 中山 なるほど、お金をいくら刷ってもそのお金がどこから出て、どこに使われるかという仕組みが変わらないと意味がないということでしょうか。

 志位 そうですね。「日本経済が停滞しているのは、政府の借金が少なすぎるからだ」という議論がありますが、
経済が停滞している原因がどこにあるかといえば、借金を増やしても、それが国民の暮らしのために使われていない。
先ほどお話ししたように社会保障に回っていない。ゼネコンをもうけさせるための公共事業や、大企業・富裕層への減税だとかに使われてしまったからです。
日本経済を良くするためには、ただむやみに政府の借金を増やすというのではなく、「税金の集め方、使い方」を全体として改革していくことが大切です。
あわせて、派遣・パート・アルバイトなど、「使い捨て」の労働を広げてしまった雇用の規制緩和を大もとからただしていくことが必要です。(つづく)

(全文はソースにて)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-06-03/2021060304_01_0.html

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