ハノイ=宋光祐2021年6月5日13時58分

 カンボジアの地雷撤去に貢献したとして英国の動物団体から金メダルを授与されたアフリカオニネズミの「マガワ」が6月末で引退することになった。所属するベルギーの団体が3日、発表した。活動開始から5年を迎え、年老いて動きが遅くなったためだという。

 カンボジアでは1970年代の内戦期以降に最大600万個の地雷が仕掛けられたとされる。
 同国ではベルギーの市民団体APOPOが、嗅覚(きゅうかく)の鋭いネズミを「英雄ネズミ」として訓練し、地雷撤去に生かしてきた。地雷を爆発させずに動き回れる重さで、爆発物に含まれる化学物質のにおいをかぎ分けられるため、人間であれば最長4日かかるテニスコートほどの範囲の地雷捜索を約30分で終えられる。金属探知機と違って金属の破片に反応せず、地雷を見つけると、地面をひっかいて人間に知らせてくれる。
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