電車の線路の上を跨ぐような形で架けられた橋、「跨線橋(こせんきょう)」。愛知県にある国内最古の跨線橋が、6月5日で役割を終えて撤去されることとなり、連日100人以上のファンが訪れています。

JR武豊線の半田駅にある跨線橋。クリームがかった白と、深い赤のツートンカラー。窓は傾きに沿って平行四辺形とモダンなデザインです。

誕生したのは明治末期。それから110年もの間、駅のシンボルとして存在し続けてきました。

移設されずに使われているものとしては国内最古となるこの跨線橋が、6月5日いっぱいでその役目を終えることに。線路の高架化に伴い撤去されることとなったのです。

『ごんぎつね』で知られる地元出身の童話作家・新美南吉は、当時の日記にこんな事を書き記していました。

<新美南吉の日記>

「駅へ走った。ブリッヂをあがるとき、エネルギーがなくなって足が鈍重になるのが感ぜられた」

通勤のため毎日駅を利用していた南吉は、跨線橋を“ブリッヂ”という愛称で呼んでいました。急な階段を走って上がるのはずいぶんと体にこたえたようです。

(中略)
ありがとう跨線橋…。橋は5日の終電をもって、その役割を終えます。

今後は、産業遺産として市内で保存・展示されることになっていますが、最終日の5日は、商店街主催で跨線橋を渡るイベントなどが行われる予定です。

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