人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。
今月のゲストは、ジェンダー問題が課題である今の日本で、再び注目が集まっている、田嶋陽子先生。
第1回はフェミニズムについてお聞きしました。

“女”から解き放たれたら、人生はもっと広がる。

大化の改新以降、女性の社会的地位は下がり続け、女の人は、“一人前の人間”として扱われたことはほぼありませんでした。
江戸時代までは、極端な言い方ですが、“子産みの道具”。
明治になると“良妻賢母”であれと言われたものの、それも妻や母という“役割”であって、“私という人間”の存在が認められたわけではなかった。
ずっと役割の中だけで生きさせられてきた女の人たちが、人間として生きる権利を取り戻そうとする動き、それがフェミニズム。
女も、男と同じ人間である。たったそれだけ、簡単なことなんです。

女だからこうしろ、女だからそんなことするな。
私が若かった頃に比べたら、女らしさの呪縛はかなり減りましたが、まだ今の日本の女性も、それを押し付けられている。
でもその決めつけから解き放たれ、“人として”物事を考え、決められるような世の中になったら、人生はものすごく広がる。
それを若い皆さんに知ってもらいたい。

働き稼ぎ、家を持つ。それの何が悪い! (笑)

私が通った女子大は、仕事を持ち自己実現をし、人や社会に尽くすことを教えてくれた学校。
でも’60年代初頭、私と一緒に卒業した人たちは、ほとんどが就職することなく、あるいは短期間だけ働きお嫁に行きました。
ただ、今の女性たちは、学校を出たら働いて、稼いで、そのお金で生きている。私からすると、それだけでも大きな変化。
お金を稼ぐことは、おのれの足で立つこと。つまり、自由に好きに、自分の人生を生きる力なんですよ。

お給料をもらってまず私は家の頭金を貯め始め、35歳で家を買ったの。
誰にもとがめられず、自分らしくいられる場所があるっていい。
しかも追い出される心配ないから、恋愛がイヤになったり、結婚に行き詰まったら躊躇なくやめられる (笑) 。
えっ? ! 今でも独身女性が家を買うことにウダウダ言う人がいるの? 信じられない! 
カタツムリだって家を持ってるでしょ? 働いてるなら、家買っちゃいなさい。あとがラクよ、おすすめ。

たじま・ようこ 1941年生まれ、岡山県出身。英文学・女性学研究者、元法政大学教授、元参議院議員。
’90年代、テレビ番組に多数出演し、“フェミニズム”をお茶の間に広めた。著書に『愛という名の支配』 (新潮文庫) など多数。

※『anan』2021年6月16日号より。写真・小川朋央
https://news.yahoo.co.jp/articles/821eecc06a91c6404925b875ccb7eb8a68c11eda

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