◆ チベット「解放」70周年、中国が政治教育活動を拡大

チベット自治区の首都ラサには、至るところに肖像画がある。習近平国家主席ら、中国の歴代指導者の肖像画だ。

中国はチベット「解放」70年を記念し、政治教育キャンペーンを拡大中だ。
ロイターの記者は前週、政府の厳しい監視下に置かれた珍しいツアーで、中国共産党や習氏に忠誠を誓う民間人や宗教家と会った。これは、大昭寺の僧侶との会話だ。

ロイター記者「あなたたちの精神的指導者は? ダライ・ラマ14世か」
僧侶「習近平だ」
記者「本当に? もう一度聞く。あなたの精神的指導者は誰か」
僧侶「酔ってはいない。私は自由に話している」

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は、1959年に中国の支配に反対して蜂起したが失敗。インド北部ダラムサラに亡命政府「中央チベット政権(CTA)」を設立した。
中国政府はダライ・ラマに「危険な分離主義者」のレッテルを貼り、中国の法律に従って後継者を選ぶ権利があると主張する。

ラサ郊外にあるチベット仏教大学では、寺院の上に中国の国旗が翻る。
同校では学習過程の約40%が政治・文化教育に充てられているという。
副校長「中国共産党の指導下にあるので当然、政治を学ぶ必要がある」

中央チベット政権は「チベットを中国化するために、再教育キャンペーンが再び活発となった」と主張している。

ロンドン大学SOAS校(東洋アフリカ研究学院)の研究員、ロバート・バーネット氏
「政治的忠誠心を示さなければ、僧侶 や尼僧になれず、大学にも行けない。共産党と新しいチベット仏教の伝道師になるよう訓練が行われている」

中国政府は、チベットにおける権利侵害を一貫して否定。仏教を含む承認された宗教を自由に信仰できると述べている。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/99403431ab6b48fb890b38a6c7deabeea7181c99