ボルソナロ大統領は17日、「コロナに感染する方がワクチンより効果的」との発言を行い、問題となった。

ボルソナロ大統領は17日夜、毎週木曜恒例のネット生放送で、
「コロナに感染した人はワクチン接種を受けた場合よりも強い免疫力が得られる」との持論を展開した。

これは、大統領がかねてから主張する「自然感染による集団免疫」説を後押しし、本人がワクチン接種を受けないことを正当化するものだ。
大統領は昨年7月に新型コロナに感染している。

大統領の持論は、上院の議会調査委員会(CPI)でも槍玉にあげられており、今回の発言後も、大統領の見解に反する見解を表明する専門家が相次いだ。

ブラジルではすでに、正式に確認された人だけで1700万人以上の感染者がおり、週明け早々にも死者50万人超えが確実視されている。
そんな中で「自然感染による集団免疫が予防接種より有効」との考えが社会的に受け入れられるのは極めて困難だ。
またアマゾナス州マナウス市などでのように、一度感染した人が2度目の感染を起こしたケースも相当数確認されている。

英国アストラ・ゼネカ社のワクチンをブラジルで管轄するオズワルド・クルス財団(Fiocruz)のクラウジオ・マイエロビッチ医師も、
11日のCPIでの証言で、「自然感染によって集団免疫を得て、感染終息を待つという考えは、死者を増やすだけで、
社会そのものを脆弱にしてしまう」として、その危険性について語っている。

ボルソナロ大統領はこの数カ月、全国向けのテレビ演説では「ブラジルをワクチン大国にする」などとワクチン接種に積極的な発言をしておきながら、
「否定論者」の多い自身の支持者たちが多く集まるところでは「マスクの着用は不要」などの発言を繰り返している。

15日にコロナバックに関して「効用が科学的に証明されていない」などと発言。
同ワクチンが国家衛生監督庁(ANVISA)の緊急使用の審査を通過したものであることを無視して、批判を続けている。
https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210619-11brasil.html#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3