由良海水浴場で浜茶屋を経営する竺原正和さん(71)は「2、3年前に気付いた。周囲では鳥の巣かもとうわさになっている」と言う。すぐ近くに住む千坂則子さん(77)も「15年ほど前に、家の裏の松にトビが巣を作ったことがある。そのトビが巣を移したと思っていた」と話す。地元では、鳥の巣説が有力のようだ。

鳥の巣ではない。その正体は巨大な
 そこで、日本野鳥の会(東京)に問い合わせてみた。返ってきたのは「鳥の巣ではなさそうです」との回答。球体のような巣を作る鳥は全国にいるが、あまりにも大きすぎることが理由という。

では、植物が原因なのだろうか。京都府立植物園の樹木担当者に尋ねると、「芽状てんぐ巣病」という病気で間違いない、とのことだった。

 この病気は多芽病とも呼ばれ、フシダニが松に寄生することでホルモンが異常に分泌され、部分的に多数の芽が発生する。一般的にはテニスボールほどのサイズが多いが、これだけ大きいのは珍しく、エネルギーが取られたことでクロマツ本体が枯れてしまった可能性が高いらしい。

 15メートルほどの高さにできた球体は、そう言われてみると、「てんぐ」のすみかのよう。ちなみに、多数の芽がでることから「子孫繁栄」として喜ばれることもあるそうだ。
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