https://mainichi.jp/articles/20210626/k00/00m/040/268000c

東京都議選は26日、告示後初の週末を迎えた。各党は国政選挙並みの態勢で幹部らを投入し、街頭で支持を呼び掛けた。過労で静養中の小池百合子都知事に対して麻生太郎財務相が「自分でまいた種」と発言したことに都民ファーストの会が反論するなど、選挙戦はヒートアップしている。

都民フの会の荒木千陽代表は中野区の駅前などで演説。麻生氏の発言に「寝る間を惜しんで都のために行動してきた相手につばを吐くような発言。断固抗議する」と批判し、「自民党におもねらなければ駄目だと言っているに等しく、まさに古い政治の象徴だ」と強調した。

 自民党では、加藤勝信官房長官が練馬区内で演説した。同区は「政治とカネ」の問題で辞職した菅原一秀元衆院議員の地元。加藤氏は菅原氏を巡る問題には触れず、新型コロナウイルス対策などを取り上げ「(自民は)都議会の野党ではあったが、しっかりと都民の声を聞いてきた」とアピールした。


 大田区の駅前では、公明党の山口那津男代表が「密にならないように」と呼び掛けてから演説を始めた。国と都、市区町村の議員のネットワークを生かして政策を実現してきたと強調し、都民フについて「区議もほとんどいない、国会議員はゼロ。やっぱりネットワークを生かすには限界がある」と語った。

 一方、共産党の志位和夫委員長は東村山市など多摩地域でマイクを握った。東京オリンピック・パラリンピックについて「国民の命を守る最良の方法は中止しかない。都議選で審判を下そう」と声を張り上げた。演説を動画サイトで生中継するなど、新型コロナ対策を意識した選挙活動にも力を入れていた。

 立憲民主党の枝野幸男代表は23区内の駅などで演説した。品川区の駅前では「都知事に頼って議席を得た議員は何人いても意味がない。なぜなら都知事のイエスマンだからだ」と指摘。「都政に届いていない声を遠慮なく言える都議を作らなくてはいけない」と支持を訴えた。