接種スピードが加速する中、ネット上には「女性は不妊になる」「遺伝子が書き換えられる」など、真偽不明な情報が流れている。
この事態を受け、河野大臣は横行するワクチンデマを否定。自身のブログでも、誤った情報に惑わされないよう、注意を呼びかけた。

どうすれば若者が安心してワクチンを接種できるようになるのか。

『ABEMA Prime』では、Twitterアカウント「手を洗う救急医Taka」としても知られる、
新型コロナワクチン公共情報タスクフォース(CoV-Navi)副代表幹事の木下喬弘医師とともに考えた。

新型コロナワクチンについて、木下氏は「今回のワクチンの本当のすごさは、重症化予防に効果があらわれている点だ。
ニューヨークで僕の仲のいい医師が働いているが、ワクチン接種が進んだことで新型コロナの入院患者が激減していて『かなり診療が楽になった』と言っていた。
医療の供給体制を楽にしている効果は、ものすごく大きい」と説明する。

日本のコロナワクチン接種状況を見ると、6月24日までに高齢者は1回目を打ち終わった人が約53%、
2回目は約19%と、着実にワクチン接種が進んでいる。

しかし、全体の接種率を見ると日本は5.5%程度で、高齢者全員が打ち終わったとしても全体で約28%、
30代以上の国民全員が打ってようやく約73%になる。

この現実に加藤勝信官房長官も24日の会見で「首相官邸Twitterの専用アカウント、テレビCMなど、さまざまな媒体を活用しながら、
特に若い方を含めて、国民の皆さんに対してできるだけ正確な情報を発信するように努めているところだ」とコメント。

若い世代に向けた接種の呼びかけを強化すると明かしている。

一方、筑波大学の原田隆之教授が発表した「ワクチンを接種したくない人の心理」の調査データでは、
20代、30代でワクチンを「打たない」と答えている人が2割以上いた。

なぜ若者たちの中にワクチンを「打ちたくない」と思う人がいるのだろうか。

Twitterに寄せられた理由を見てみると「若者は重症化しないのに打つ必要がどこにあるのか?」
「わざわざ倦怠感が出るものを身体に入れたくない」 「高齢者が全員打ち終われば医療崩壊しない」といった内容が投稿されていた。

若者は新型コロナにかかっても本当に重症化しないのだろうか。これに木下氏は「明らかに間違いだ」と否定する。

「若者も重症化する場合がある。ワクチンを打つと倦怠感が出ることもあるが、どう考えても新型コロナに感染するよりはマシだ。
新型コロナに感染すると、体にどのような反応が起きるか。少しだけ説明すると、まず、新型コロナに感染すると、人間の細胞にコロナウイルスが入ってくる。

コロナウイルスはRNAという遺伝子を持っていて、その遺伝子が人間の細胞の中でRNAをばら撒きまくる。
ウイルスを僕らが作らされるようになる。それが何百万という単位になって細胞を殺す」

その上で、木下氏はワクチンの内容について「打つメリットの方が圧倒的に大きい」とコメント。

「今回のワクチンは、コロナウイルスの“スパイクタンパク”という表面にある突起の部分の遺伝子だけをワクチンに入れている。
しかも、遺伝子の個数は勝手に増えず、人間の細胞の中でウイルスの一部分だけを作って、身体に戦い方を覚えさせるもの」と説明した。

「遺伝子のワクチンと聞くと『気持ち悪い』と思う人もいるかもしれないが、
新型コロナのウイルスに感染すると自分の身体の中にウイルスの遺伝子がばら撒かれまくる。

そっちの方がよほど気持ち悪いし、どう考えてもリスクが高い。実際に若い人で亡くなっている人もいる。

個人レベルで考えても、ワクチンは打つメリットの方が圧倒的に大きい。まずそこははっきりさせる必要がある」
https://news.yahoo.co.jp/articles/166f62fbc60f515d3bffe4d202c0bbe391ead42e