政府は新型コロナウイルスワクチンの職場接種について、企業などからの新規の受け付けを当面停止する方針だ。職場接種に使う米モデルナ製のワクチンに供給量を上回る申し込みがあり、十分な量を供給できないと判断した。

企業や団体を対象にした職場接種は8日に希望する団体から申し込みを受け付けた。想定を上回る申し込みが殺到したため、25日に申請を一時休止していた。

厚生労働省は9月末までに5000万回分のモデルナ製のワクチンを調達する契約を結んでいる。このうち3300万回分を職場接種、残り1700万回分を自治体が実施する大規模接種の会場向けに割り当てる。

河野太郎規制改革相は29日の記者会見で、職場接種向けの3300万回分について企業へ2700万回、大学へ600万回配分すると表明した。25日までに企業や大学からは3642万回分の申請があり3300万回分を上回っていた。

企業が従業員数を大きく上回る人数分を申請する例もあった。

加藤勝信官房長官は30日午前の記者会見で「接種に必要な量を把握したうえで今後の供給と出荷の見込みを立てながら必要な対応を考える」と述べた。「今週中に一定の見通しをできる限り示したい」と説明した。

政府は30日夕、首相官邸で菅義偉首相らが出席し、新型コロナ対策を協議する関係閣僚会議を開く。接種に関して協議する。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA301720Q1A630C2000000/