体の広い範囲に見られ、皮膚がんになる可能性がある先天性の大きなあざについて、京都大学などのグループは、皮膚を切り取りあざの細胞を死滅させたうえで再び元の場所に移植する新たな治療法を開発したと発表しました。
これは京都大学の森本尚樹教授などのグループがオンラインで記者会見して発表しました。

グループは、生まれつきの大きな黒いあざで「先天性巨大色素性母斑」と呼ばれる病気について、皮膚をいったん切り取って特殊な医療機器であざの細胞を死滅させる処理を行い、再び元の場所に移植して皮膚を再生する新しい治療法を開発しました。
おととしまでのおよそ3年間に、10人の患者を対象に治療効果を確かめる臨床研究を行ったところ、治療から1年後にはあざがほとんど消え、再発もなかったということです。

「先天性巨大色素性母斑」は大人では直径が20センチ以上あるあざで、およそ2万人に1人の割合で発症し、放置すると数%の割合で皮膚がんになるリスクがあるとされていましたが、これまで有効な治療法はなかったということです。
グループは、今月から新たな臨床研究を始めてさらに治療法の検証を進め、細胞を死滅させる医療機器の承認も目指していきたいとしています。
森本教授は、「単にあざを治すだけでなく、見た目もきれいにすることができる治療法で、患者の生活の質の向上にもつながる」と話しています。

▽ ソースに動画があります
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210701/2000047857.html