厚生労働省が6日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は、前年同月比1.9%増の27万3777円となった。

 増加は3カ月連続で、2018年6月(2.8%増)以来の高い伸び率だった。前年同月は新型コロナウイルス感染拡大で残業時間を減らした企業が多く、その反動が出た形だ。

 現金給与総額のうち、残業代を含む所定外給与は20.7%の大幅増で、上げ幅は比較可能な13年1月以降で最大。

 ただ、前年同月(20年5月)は1回目の緊急事態宣言が出ていた時期に当たる。厚労省は、コロナ感染拡大前の19年5月と比較すると現金給与総額は減少しているとして、「感染拡大前の水準に戻っていない」(担当者)とみている。 

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