新型コロナウイルスのワクチン接種は、高齢者や医療従事者だけではなく、企業や大学などが実施する職域接種や、
自治体によっては16歳から64歳までの接種が始まった。接種券を手にした人も増えてきている。

SNS上には、すでにワクチンを接種した人たちのさまざまな体験談や、
これから接種する人たちの不安の声も散見されるが、実際のところはどうなのだろうか。

Twitterで自身がファイザー製のワクチンを接種した際の経過を随時報告し、注目を集めた医師で小説家の知念実希人氏。
今回は、ワクチン接種に関わる疑問について聞いた。


――そもそもワクチンを接種するべきか迷っている人も多いです。接種後に亡くなったという内容の記事も見かけます。

「致死率1.4パーセントの感染症を防ぐという意味では、リスクとメリットを天秤にかけた時に、打たないという選択肢はない、というのが多くの医師の見方です。

日本では4,350万人以上(※)が接種しています。国民の3分の1が接種しているんですね。
すでに全世界では10億人以上に新型コロナウイルスの予防ワクチンが接種されていますが、これが直接的な原因となった死亡例は世界で一例も報告されていません。

バイデン大統領も、エリザベス女王も、菅首相も打っています。打つことのリスクばかりメディアで取り上げられますが、
打たないことのリスクをしっかり見ていかないといけないと思います」


――働き盛りで基礎疾患などもなく健康だと、副反応の可能性があるワクチンを打つメリットを感じられない人もいるかもしれません。

「コロナワクチンは、発症自体は95パーセント、感染自体も90パーセント防ぎます。30〜40代の男性も、それなりの可能性で重症化する可能性はあります。
僕は40代なのですが、もしも僕が感染した場合、200回に1回死にます。もし罹ったら、統計上の確率で言えば0.5パーセントの可能性で死ぬんです。

肺炎になる可能性は数パーセント、重症と言われているICU(集中治療室)に入る可能性が2〜3パーセント。
可能性の高いロシアンルーレットみたいなものですよね」


――接種後に熱が出る程度で防げるなら、メリットの方がはるかに大きいんですね。

「たとえ死ななかったとしても、高確率で後遺症が残る。味覚障害、嗅覚障害以外にも、肺炎を起こすと肺機能は完全には回復しないことが多い。
40〜50代でも線維化という肺の壁が厚く硬くなると、血液中に酸素が取り込まれにくくなるので、人によっては一生酸素が必要になったりもします。

コロナはパンデミックとして世界中で想定されていたものの中でも、“最悪”というのが医師たちの共通見解です。

皆さんの中には、軽い病気と思っていた人もいるかもしれないですが、体中に血栓症を起こしたり、
心筋梗塞や脳梗塞でいきなり急死することもあります。医師は重症例を目の当たりにしているので『ワクチンを早く打った方がいい』と言います。
家族に看取られることもなく、帰っていく時にはお骨になっている状態。葬式もまともにできない現実があるんです」


――身近に感染者がいないと、私たち一般人は「もう大丈夫だろう」という気持ちになってしまいますね。

「正常化バイアスといって、怖さが薄れていくんです。しかし、恐ろしい病気であることは変わらないですね。
ワクチン接種すると、ほとんど感染しなくなる。そして発症した場合にも、ウイルスの排出量や期間が少なくなる。人に移してしまうリスクも劇的に減ります」


――ワクチンを接種した場合は、抗体はいつからでき始めるのですか?

「1回目の接種後では、抗体はすごく弱いです。感染予防をしないと、普通に罹ります。しっかり抗体ができるのは、2回目の接種から2週間と言われています。
抗体ができると9割以上の感染を防ぐようになり、もし罹っても鼻かぜで終わる可能性が高くなります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/24828c803147f1b9b689d4da4e4f5f9dc6e17a86