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東京五輪・パラリンピックのボランティア研修を受講する参加者=2019年10月、東京都渋谷区

「お役御免か」ボランティア当惑 4都県の無観客開催で 組織委「別の役割を」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210709-00000148-jij-soci

 4都県の全会場で無観客開催が決まった東京五輪。

 ボランティアやアルバイトとして観客を案内する予定だった人たちは「自分は一体何をやったらいいのか」と当惑している。大会組織委員会は役割の調整を急ぐが、開幕は2週間後に迫っており、混乱は避けられない見通しだ。

 競技会場の運営に関わる「大会ボランティア」は約7万人おり、このうち1万6000人以上が観客らの案内やチケット、荷物のチェックといった業務に携わる予定だった。会場の最寄り駅や観光地などで案内を担う「都市ボランティア」は、東京都だけで約3万人。求人サイトでは、観客席への案内や検温、消毒といったアルバイトの募集が9日現在も掲載されたままとなっている。

 コロナ禍で、海外ばかりか国内の観客すら競技会場に入れない異例の事態となり、観客や旅行者に対応する業務の需要は事実上、大半が消失。8日夜に「無観客」の決定が報じられると、ツイッター上ではボランティア参加者から「お役御免なのか」「心が折れそう」と悲鳴が上がった。

 千葉市で駅から競技会場への誘導をするはずだった都市ボランティアの杉本容一さん(56)は「仕事がなくなってしまう。市長から任命され、研修を積んできたのに」と困惑。アルバイトとして会場内で観客を案内する予定だった東京都練馬区の大学生近本凱さん(22)は「雇用主の会社に問い合わせたが、まだ対応が決まっていないと言われた。別の仕事ができるなら参加したいが…」と声を落とした。

 観客案内のボランティアについて、大会組織委は「別の会場、または異なる役割で活動いただきたいと考えており、対応が決まり次第案内する。本人の意思を尊重したい」としている。