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福岡市内の繁華街では12日夜、休業していた店に明かりがともり、通り沿いには名物の屋台が戻ってきた。
中洲地区や天神地区も人通りは増え、酔客の笑い声が響いた。

天神の目抜き通り、渡辺通り。休業・時短要請中は姿を消していた屋台が、午後5時すぎから続々と並んだ。
西鉄福岡(天神)駅近くの「なかちゃん」は約2カ月ぶりの営業。店主の中川陽一さん(58)は
「準備中、常連客に声を掛けられてうれしかった」と笑顔を振りまく。午後7時半には全12席が埋まった。
同市中央区の会社員森田力さん(58)は店主とは25年来の付き合い。
「再開と聞いたら、行かないわけにはいかないよ」とグラスを傾けた。

近くの警固公園では同日朝、2カ月ぶりにフェンスが撤去された。「公園飲み」する人が増えたため、
市が立ち入りを制限していた。この日は日中から買い物客や家族連れが集まり、都心の憩いの場が戻った。

スナックなどが営業を再開し中洲にも人が戻ってきた。たばこ店の80代の女性従業員は
「月曜日なのに人の流れはそこそこ。みんな我慢してたから出てきたんだろうね」。
ただ、同市博多区などでやきとり居酒屋夢市門(むいちもん)を経営する小池勝利さん(53)は
「長い自粛で生活習慣が変わったのではないか。客足が戻るのは先かな」と不安を吐露した。

一方で、感染の再拡大を懸念する声も。同市中央区の男性会社員(27)は
「福岡らしい風景が戻ったのはうれしいが、気の緩みでまた感染者が増えるのでは」。
にぎわう屋台を横目にバスに乗り込んだ。


中洲の歓楽街を行き交う人たち=12日午後9時すぎ、福岡市博多区
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