東京五輪開幕まで10日となった13日、東京・晴海の選手村が正式にオープンした。この日、事前合宿を行う各国選手ら約900人が来日し、入国もピークを迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での五輪開催。五輪とパラリンピックで選手や関係者ら計約10万5000人が来日するが、空港検疫を含めて五輪・パラの感染対策はどうなっているのか―。(原田遼)

◆陰性ならホテルや選手村へ
 選手や国際オリンピック委員会(IOC)関係者らは、入国時の検査で陰性なら事前合宿先のホテルや選手村に入れる。ただし、選手は入国後に毎日、検査を受けなければならない。大会関係者は入国後3日までは毎日、4日以降は職種によって4〜7日ごとに検査を受ける。
 6月19日に来日したウガンダ選手団は入国時検査で、1人が陽性と判明し、宿泊療養施設に移された。陰性だった8人は合宿地の大阪府泉佐野市に移動したが、その後の検査で1人が陽性となった。この他、セルビア選手団の1人とイスラエル選手団の1人の感染も明らかになっている。
各国の国旗を模した飾り付けがされ正式にオープンした選手村の目抜き通り=13日午前、東京都
 選手ら五輪関係者は入国後3日間は、自分の部屋から出てはいけない。練習や五輪関係の業務のための外出は認められる。デルタ株が流行するインドなど9カ国の選手は入国後10日間は対外試合などはできない。
 選手は入国後4日目以降も練習・試合以外の外出は認められない。IOC関係者らは入国後14日たてば地下鉄など公共交通機関は利用できるが、競技会場や宿泊施設以外での外食は禁じている。
◆入村20日ピーク、感染防止が最大の課題
 選手と役員約1万8000人が過ごす想定の選手村での感染防止は、大会中の最大の課題だ。宿泊棟は21棟。約100平方メートルの1戸に数部屋あり、最大8人が入居できる。食堂やジムなどの共有スペースも多い。
 入村は20日前後がピーク。感染している選手らが入国時検査をすり抜ける可能性だけでなく、大会期間中に国内の関係者から選手が感染することも想定される。クラスター発生の恐れがあり、感染防止には気の抜けない日々が続く。

東京新聞 2021年7月14日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/116478