新型コロナウイルスの感染状況を分析し、厚生労働省に助言する専門家組織
「アドバイザリーボード」は14日、新規感染者数が1000人を超えた東京都について「感染拡大の速度はさらに加速する」との分析をまとめた。

12日に発令された緊急事態宣言の効果が出るのは早くても2週間後とされ、50代以下を中心に入院者数の増加傾向は継続するという。

提出された資料によると、首都圏1都3県の陽性者のうち、デルタ株(インド株)に含まれるL452R変異の割合は4割を超えた。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「デルタ株の増加はしばらく続く可能性が高い」と予測した。

脇田氏は「なるべく外出機会を減らし、五輪は家族やいつも一緒にいる少人数でテレビ観戦してほしい」と呼び掛けた。
報道機関には、不特定多数が集まるスポーツバーや街頭での応援の取材に「慎重な検討」を求めた。

政府分科会の尾身茂会長は、東京の新規感染者の1000人超えを「残念ながら想定内」とし、7月の4連休、五輪、夏休み、
お盆を控え「どれだけ社会全体で感染抑止できるかにかかっている」と指摘。

前田秀雄・北区保健所長は「ワクチンで高齢者の感染が抑えられているからこの数字。ワクチンがなければ2000人になっていたかもしれない」と話した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/116732