自民党の下村博文政調会長が13日に「ワクチンが足らないという風評が広がっている」と述べたことを受けて、秋田県の佐竹敬久知事は14日の記者会見で「国の対応は誠実ではない」と批判した。ワクチンをめぐっては全国知事会が11日に「接種に全力を挙げてきたのにハシゴを外されて混乱している」と訴えていた。

 佐竹知事は「医療関係者が相当無理して残業して接種している。市町村も寝ないでやっている」と現場の努力に触れ、「国はもっと謙虚になって『スピードアップをお願いした。努力してもらってありがたい。しかし、目算が狂った』という姿勢で臨んでほしい」と述べた。

 また、観客を入れて東京五輪を開催する宮城、静岡両県について「相当なリスクがある」とし、県民に対して「できる限り自宅でのテレビ観戦をお願いする」と求めた。リスクが高いと判断する理由として、世界各国から集まる選手たちの水際対策が完璧ではない点や、競技終了が遅くなって現地に泊まる場合に盛り場へ食事に行くことがありうる点などを挙げた。(増田洋一)

朝日新聞 2021年7月15日 8時51分
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