米国で新型コロナウイルスの感染の再拡大に拍車がかかっている。
ワクチン接種が遅れている地域の増加傾向が全国に拡大し、未接種者を中心に死者や入院者も増えている。

政府はワクチン接種促進を呼びかけているが、接種ペースは上向いておらず、
保健当局は「未接種者の間でのパンデミック(大流行)が起きつつある」と警告している。

米疾病対策センター(CDC)によると、今月9〜15日の1日平均の新規感染者は2万7804人、死者は223人だった。
2〜8日と比較すると、感染者は約1・6倍、死者は約1・4倍に増えた。

米CNNは16日、「全50州で感染者が前週から増加したのは今年1月以来だ」と報じた。

感染の再拡大は当初、南部アーカンソーやルイジアナ、中西部ミズーリなど、ワクチン接種完了率が40%以下
(全国平均は48・4%)の州で目立っていたが、人口が3番目に多い南部フロリダ州(接種完了率47・3%)でも急拡大するなど警戒感が広がっている。

政府は「入院者の97%以上はワクチン未接種者だ」(CDCのワレンスキ所長)として、
感染拡大や重症化を防ぐのにワクチン接種が最も有効な対策だとしている。

しかし、成人(18歳以上)のうち、約8265万人(約32%)はまだ一回も接種を受けていない。

世論調査では「ワクチンを信頼できない」 「既に感染した」 「若いので必要ない」など、接種しない理由はさまざまだ。
https://mainichi.jp/articles/20210717/k00/00m/030/130000c