国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は17日、今回の来日後初の記者会見に臨み、
緊急事態宣言下で開催される東京オリンピックについて「日本の方は大会が始まれば歓迎してくれると思う。
アスリートを温かく歓迎し、応援してください」と呼びかけた。
新型コロナウイルスの感染拡大で開催への反発が強まる国内の状況との温度差を感じさせた。

 バッハ氏はこの日から東京都内で始まったIOC理事会後に会見し、
「いろいろな意見を表明できるのが民主主義だ。これまでも100%の支持を得た大会はない。
厳しいコロナ対策を取ることで、現状でも開催できると思ってくれるはずだ。
(反対する人たちと)対話する努力をしていく」と説明。
その上で「日本のアスリートが活躍するのを見ると、(開催を疑問視する)態度も過激なものではなくなるのではないか」との考えを示した。

 一方、14日に菅義偉首相と会談した際に国内の感染状況が改善した場合は観客を入れての開催を検討するよう要望したとされるが、
この日は「観客についてのコメントは控えさせていただく」と述べるにとどめた。

 8日に来日したバッハ氏は、特例措置に基づいて11日まで都内のホテルで隔離生活を送ると、
13〜15日には大会組織委員会の橋本聖子会長▽菅首相▽東京都の小池百合子知事――と3日連続で会談。
「五輪休戦決議」が始まる16日には被爆地の広島市を訪れた。

 4月のIOC理事会後の記者会見では、「緊急事態宣言と東京五輪は関係ない」と述べるなど発言がたびたび物議を醸しているが、
来日後も混乱を招いている。13日に橋本氏と会談した時は、開催地の日本について触れた場面で
「ジャパニーズピープル(日本の人々)」と言うべきところを「チャイニーズピープル(中国の人々)」と言い間違え、
ネット交流サービス(SNS)で拡散されただけでなく、海外メディアでも報じられた。【岩壁峻】
https://news.yahoo.co.jp/articles/dbdc10e0f9264ffcecb1747b2ac6073c59f7bea9