東京五輪開幕が23日に迫る中、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)に設けられた報道拠点、メインプレスセンター(MPC)にも海外メディアの姿が増え始めた。
競技取材から日々の行動までさまざまな制限に戸惑いつつ、新型コロナウイルス禍で行われる今回の五輪をどう伝えるか模索している。

アクリルボードで仕切られた計700席のワーキングルームに、人はまだまばらだ。

ブラジルの五輪・パラリンピック専門ウェブメディア、オリンピアダ・トゥードゥ・ディアの取材団5人は、10日前に入国。
「(ホテルに待機する)最初の3日間は大変だった。コンビニに行くのも15分以内と制限があり、
監視役のドアマンに入退出の時刻をチェックされたよ」とディレクターのフェルナンド・ガビニさん(44)は振り返る。

競技開始後にどんな取材ができるかについても不透明さが残る。「(選手と報道陣が接する)ミックスゾーンの取材はどうなるのか、
組織委員会に問い合わせているが回答が来ない」と肩をすくめた。

さまざまな不自由にも、ブラジルの日刊紙フォリャ・ジ・サンパウロの記者レアンドロ・コロンさん(41)は
「感染対策は重要だ。従うことに全く問題はない」と話す。気にかかるのは、五輪や海外関係者に対する日本全体の冷ややかな空気だ。

「開幕が近づき海外メディアが目に見えて多くなったら、状況はどうなるだろうか。
日本ではワクチン接種が進んでいないし、感染への不安はよく分かる。私たちも日本人の安全に責任があると考えている」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/117602