感染が急拡大している新型コロナウイルスを抑え込もうと、仏政府は19日、
医療従事者らに対するワクチン接種の義務化などを盛り込んだ法案を閣議決定した。

市民らにも飲食店や病院などの利用の際に接種か検査の陰性証明の提示を義務づけ、厳しい罰則も設ける。
著しい自由の制限だとして反対デモが起きる一方、「外出禁止令よりはまし」との受け止めもあり、世論は大きく割れている。


法案では、病院や介護施設などの職員が接種を拒めば出勤を禁じ、解雇も可能になる。

市民には、飲食店のほか病院や美術館、映画館、大型ショッピングモールなどの利用に接種か陰性の証明の提示を義務づけ、
感染が判明した場合の10日間の強制隔離も導入。秋以降、PCR検査は原則有料とする。

法案は週内にも成立する見通しだ。外出禁止令に代わり、市民にワクチンを事実上強制することで感染を収束させる狙いだ。

見逃しを重ねた店舗には最大で罰金4万5千ユーロ(580万円)、責任者に懲役1年を科す強制色の強い法案となった。


現在、少なくとも1回のワクチン接種を済ませた市民は56%だが、マクロン大統領が12日に強制措置を発表して以来、接種会場に市民が殺到。
1日の接種回数が過去最高の90万回近くに達し、予約が困難になっている。

マクロン氏の再選がかかる大統領選まで9カ月を切っており、ワクチン強制には、コロナ対応が選挙の争点になるのを避ける狙いもありそうだ。
https://www.asahi.com/articles/ASP7N6T7KP7NUHBI00G.html