新型コロナウイルスの猛威が収まらない。東京都では、緊急事態宣言の適用が8月末まで延長されることになったが、
仲間内での飲酒をためらわないなど、特に若者の中で危機感の薄さが目立つ。感染拡大を防ぐため、ワクチン接種などの対策が急務になっている。

「0時までお酒を出してます」。新宿駅西口周辺では30日夜、居酒屋の店員が通行人にそう声をかけていた。

東京都は、飲食店に終日、酒を提供しないよう求めているが、守っていない店は多い。
飲食店に仲間と酒を飲みに行くという新宿区の大学2年の男性(21)は、「夏休みに入ったが、旅行にも行けないし、うんざりだ」と話した。

道路脇に座って酒を飲む人の姿も見られ、巡回していた新宿区の男性職員は「広場や植え込みの脇に座って飲酒する人が少なくない。
そういう人がいれば、やめるよう注意したい」と厳しい表情で話した。

菅首相は30日夜の記者会見で「今回の宣言が最後となるような覚悟で対策を講じる」と訴えた。
だが、繰り返される宣言に、東京都中野区のアルバイト女性(23)は、「最後と言うけれど、なぜそう言えるのか」と首をかしげる。

若年層は感染しても症状が出ないこともあり、警戒感が薄い人もいる。
JR恵比寿駅(渋谷区)近くの居酒屋でこの日、酒を飲んだ専門学校の女性(21)は、友人がコロナに感染したものの、無症状だった。

「コロナの怖さが分からない」と本音を明かす。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210730-OYT1T50436/

新宿の街を行き交う多くの人たち(30日午後7時18分、東京都新宿区で)
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