1216兆4634億円。この金額を聞いてピンと来る人はいるだろうか。
国債、借入金、政府短期証券を合わせたいわゆる国の借金の2020年度末での合計額だ。
過去最高となった20年度国税収入60兆8216億円のおよそ20倍に達し、先進国で最悪の水準に陥っている。
膨張する社会保障関係費を赤字国債で補ってきたが、政府は収束が見通せない新型コロナウイルス対策名目で大型経済対策を連発し、借金はさらに膨らんだ。
悪化する財政に対する危機意識の薄い政権与党は歳出圧力を強めるばかりで、
「このままでは未来の子孫に顔向けできない」との霞が関の一部官僚の声もかき消されがちだ。(時事通信政治部 纐纈啓太)

■「ワニの口」の名付け親

 日本の財政を説明する際、しばしば用いられる例えに「ワニの口」がある。年々増える社会保障費などの歳出と、
伸び悩む税収を折れ線グラフで示すと、口を開けたワニのように見えるからだ。

 7月8日、財務省事務次官に就いた矢野康治氏が名付け親とされる。
安倍長期政権の政策立案で財務省の存在感低下が言われて久しいが、「財政原理主義者」とも称される矢野氏に現場の期待は熱い。

 矢野氏が部屋の主だった7月までの1年、財務省主計局長室には、入室者が目にする位置に3枚の遺影が飾られた。
政府税調会長などを歴任した財政学者の石弘光氏、与謝野馨元官房長官、香川俊介元財務次官の各氏。
いずれも途方もない財政赤字の立て直しへ奔走し、志半ばで世を去った。

 「財政に甘い職員の背筋を伸ばしてもらい、財政と格闘する職員の背中を押してもらう」。
矢野氏が故人の写真に込めた願いだ。

 主税局長から主計局長に転じた後、コロナ対策で野放図となりがちな予算査定ににらみをきかせた。
昨年末、官房長官秘書官として仕えた菅義偉首相が脱炭素促進への新設基金を2兆円に倍増するよう求めたのに面前で異を唱え、「そんな話聞かねえ」と怒声を浴びせられたこともあった。

 今年に入って「Go To トラベル」全国再開の動きや、通常国会閉会間際での駆け込み的な補正予算編成論へのブレーキ役を果たすなど、「直言居士」としての存在感は高まっている。

 新次官がさっそく背負うのは、コロナ禍で積み上がった国債の山だ。
昨年度の新規国債発行額は112兆円超となり、リーマン・ショック後の経済対策に費やした09年度をはるかに超える空前の規模となった。
霞が関省庁などでは「ワニの上あごが外れた」などとささやかれている。

(以下略、全文はソースにて)
https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210730seikaiweb0001

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