8/12(木) 18:41配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/21d7d300ab3cbd0b56547e4a2e2ac4704f495d2e

 防衛省は、米国の最新鋭ステルス戦闘機F35AとF35Bを計10機程度追加取得するための費用1000億円超を2022年度予算案に計上する方針を固めた。6機分650億円を計上した21年度予算からほぼ倍増させる。中国の海洋進出への備えを急ぐためで、今月末が期限の概算要求に盛り込む。政府関係者が12日明らかにした。

 F35はレーダーで捉えにくいステルス性に優れた第5世代機。F35Aは通常の滑走路で離着陸し、航空自衛隊三沢基地(青森県三沢市)に約20機配備されている。F35Bは短距離での離陸や垂直着陸が可能で、事実上の「空母化」改修が進むいずも型護衛艦への搭載に向け導入を急ぐ。

 政府は18年策定の中期防衛力整備計画(中期防)で19〜23年度にF35A27機、F35B18機の計45機を導入するとした。防衛省によると、計画3年目の21年度予算までに計上できた取得費はF35Aが13機分、F35Bが8機分の計21機分で、予算化は遅れ気味だ。

 近年、中国は東シナ海や南シナ海への進出を加速させ、沖縄県・尖閣諸島周辺での活動も活発化。今年2月には中国海警局の武器使用規定を明文化した中国海警法も施行され、中国艦船が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を抜けて太平洋に進出する事例も相次いでいる。取得費を計上してから取得するまで5年程度かかることから、予算化のペースを上げて南西方面空域での「航空優勢」確保に努める。【畠山嵩】