東京の百貨店では休業要請に応じた出店業者への協力金が支払われるのに、大阪では支払われない−。4月に3度目の新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が発令されて以降、こんな混乱が起きた。百貨店がまとめて受け取る協力金を出店業者へ分配するのか国の通達に明記されず、申請窓口の自治体ごとに対応が分かれたからだ。国はようやく7月下旬の通達に分配するよう明記したが、対象から漏れる業者もあり、不満の火種がくすぶっている。

納得できない
「協力金を支払う予定はない」

大阪府内の百貨店でアパレル商品を販売する出店業者は7月上旬、緊急事態宣言で休業した百貨店の担当者に協力金の申請手続きを問い合わせたところ、こう告げられた。

一方、この業者が出店する東京都内の別の百貨店では6月ごろから申請手続きの案内があった。業者は「休業で打撃を受けており、協力金は小さな額でもばかにならない。地域や百貨店で支給に差が出るのは納得できない」と憤った。

4月25日に発令され、10都道府県まで拡大した3度目の宣言では、東京都や大阪府などが床面積千平方メートルを超える大型商業施設に休業を要請。

政府は都道府県を申請窓口とし、要請に応じた施設へ千平方メートルごとに日額20万円、施設内の区画で賃貸借契約(テナント契約)を結び営業する業者には100平方メートルごとに日額2万円を個別に支給するとした。財源は、政府が設けた臨時交付金だ。

https://www.sankei.com/article/20210814-EBFS5QHMUBIXZFL36PTYFCB43Q/