洪水は埼玉と東京は一蓮托生だからな


雨の降り方がさらに強かった場合、水位はどうなっていたのか。

河川工学が専門の東京理科大学の二瓶泰雄教授は、荒川のうち埼玉県熊谷市から埼玉県戸田市にかけてのおよそ40キロの区間でシミュレーションしました。
「雨の降り方」は、台風が上陸する10時間ほど前に気象庁が実際に発表していた21とおりの予測を使いました。

このうち、荒川本流の流域で2日半の間に降った雨の量が実際よりも80ミリ多い最悪のケースを検証したところ、川の水が堤防を越えることはありませんでしたが、
河口から37.2キロさかのぼった場所にある埼玉県志木市の「羽根倉橋」付近の右岸では、住宅地に水が流れ込むまであと26センチに迫る水位でした。

さらに解析した区間のおよそ半分にあたる23キロで、
設計上、堤防が耐えられる上限の水位とされる「計画高水位」を超えることが分かりました。

場所によっては、この水位を超えた状態が12時間以上続いた場所もあり、二瓶教授によりますと「計画高水位」を上回る水位が長時間続くと堤防への水の浸透が進み、決壊の可能性が高まるということです。


 「羽根倉橋」付近でも6時間にわたって超え続け、仮にここで決壊が発生すると、
  国土交通省の想定では、最悪の場合、東京 板橋区や北区にかけての広い範囲が浸水する危険性があるとされています。

  荒川が、仮に埼玉県志木市の「羽根倉橋」付近の右岸で堤防が決壊したらどうなるのか。

  国土交通省のサイト「浸水ナビ」で見てみると、
  最悪の場合、あふれた水は、北は埼玉県川越市から南は東京 北区赤羽にかけてのおよそ50平方キロに広がるとされています。