沖縄県は15日、新たに10歳未満から90代の男女661人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。過去4番目に多く、日曜日としては過去最多。県によると、入院調整・受診調整をしている医療コーディネーターからの報告で、午後6時時点で重症者用の病床28床が全て埋まった。呼吸不全で酸素投与が必要な「中等症2」の病床も満床となったという。

 病床数は日々変化するが、県によると重症者用の病床が満床になるのは珍しく「重症者は高齢者ではなく、40、50代が中心になっている」としている。また自宅やホテルなど宿泊施設で療養中の患者の受診調整も困難な状況だという。県民に対して医療逼迫(ひっぱく)の状況を認識し、不要不急の外出を控えるよう改めて訴えた。

 ■最悪な状況続く

 療養者数は合計5783人で、直近1週間の新規感染者数は4168人でいずれも2日連続で過去最多を更新した。人口10万人当たりの新規感染者は279・74人で全国1位と最悪な状況が続いている。

 今後の感染者数の見通しについて、県の糸数公医療技監は12〜14日の3日連続で1日の感染者数が700人を超えるなど「かなり感染の勢いのある状況が続いている」と強調。17日に発表される、感染者1人が平均何人にうつすかを示す「実効再生産数」の数字を見るとした上で「厳しい状況にあるのは間違いない」と強調した。

 ■健康観察の電話

 県は自宅療養者に、看護師らによる電話での健康観察をしているが、糸数医療技監は「電話を取らない方がいる。見覚えのない携帯番号から掛かってくるが、毎日の健康状態を確認して、必要な措置をとる大事な電話なので必ず取ってほしい」と注意喚起した。

 20日からの旧盆を前に「今の状況では、親戚が集まって会食するとかなり感染リスクが高くなる。電話や玄関先で短時間で切り上げることや、特に小規模離島への往来は極めて慎重にしてほしい。家族や親戚と話し合って、いつもとは違う旧盆を過ごしてほしい」と呼び掛けた。

 ■与那国8人搬送

 14日に15人の新規感染者が確認された与那国島では、重症などの患者8人を優先して石垣海上保安部の船で石垣島の県立八重山病院へ搬送した。

 新規感染者661人のうち、市町村別では那覇市が最多で165人、次いで沖縄市83人。離島では宮古島市40人、石垣市23人、与那国町5人。県外は12人だった。

沖縄タイムス

https://news.yahoo.co.jp/articles/856124f31e12d7d04af2926b2f35d7cfda23f117