成田空港で新型コロナウイルスの陽性が判明してホテルに隔離された帰国者が、症状が悪化して入院を依頼しても、満床状態の病院側から断られるケースが相次いでいる。

 日本への帰国者は、空港検査で陽性が判明すれば、2回の陰性確認などがされるまで、検疫所が用意するホテルに隔離される。

 厚生労働省・成田空港検疫所の田中一成所長によると、空港近くのホテルには現在、陽性の帰国者約60人が隔離され、そのうち約2割に発熱などの症状がある。

 40度近い高熱の患者もいて、血中酸素飽和度は酸素吸入が必要とされる93%前後が多いという。

 これまでも週に2〜3人は入院が必要と判断し、検疫所が千葉県内の各病院に直接依頼して入院させてきた。

 ところが、7月末ごろから、コロナ患者の急増に伴う病床の逼迫(ひっぱく)で、近くの病院に入院を断られるケースが出始め、この1週間はほとんど断られた。80キロ近く離れた病院に受け入れてもらい、事なきを得たという。

 千葉県内のコロナ病床の使用率は、12日時点でステージ4の67%にのぼる。田中所長は「帰国者の入院が増えれば、千葉県民のための貴重なベッドを奪うことになる」と危惧する。

 再び入院できなかった場合に…(以下有料版で,残り235文字)

朝日新聞 2021年8月15日 19時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP8F73TRP8FULBJ016.html?iref=sp_liftop_feature2_list_n