自民党岸田派(宏池会)は19日、東京都内で会合を開き、菅義偉(すが・よしひで)首相の総裁任期満了(9月30日)に伴う次期総裁選への対応を協議した。岸田派議員からは領袖(りょうしゅう)の岸田文雄前政調会長に出馬を求める声が相次いだ。総裁選をめぐっては党内で「9月17日告示−29日投開票」の日程が有力視されているが、岸田氏は今月26日に日程が正式に決まり次第、最終判断する意向だ。

「総裁選に出馬すると早急に決断すべきだ」「今こそ、宏池会の神髄を天下に鳴り響かせてほしい」

会合では若手やベテランから岸田氏に早期の決断を促す声が次々と上がった。岸田氏は会合後、「私自身の総裁選への対応は具体的に日程が確定してから明らかにしたい」と述べつつも、「(総裁選は)自民党が幅広い選択肢を示す大切な場だ」とも強調した。

岸田氏は昨年9月の党総裁選にも出馬したが、二階俊博幹事長率いる二階派(志帥会)や安倍晋三前首相の出身派閥の細田派(清和政策研究会)など主要派閥の支援を受けた首相に敗れた。二階氏ら党内の有力者は次期総裁選でも首相再選を後押しする意向だ。

一方、菅政権の新型コロナウイルス対策に批判が集まり、間近に迫る次期衆院選への影響も党内で不安視される中、岸田氏は周囲に「誰も出なければ、国民に『自民党はどうなっているんだ』と思われる」との危機感も語ってきた。

平成24年の第2次安倍政権下で外相や政調会長などの要職を歴任し、首相の有力な対抗馬となり得る岸田氏の判断が総裁選の最大の焦点となりそうだ。(永原慎吾)

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