横浜市長選で小此木氏失速、菅首相の「全面支援」がマイナス要因に
8/21(土) 8:52配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/47a6c7ab4e862edc023d2bf6de3f73ea637c343f

菅首相の「全面支援」を受けた小此木氏が、まさかの大苦戦

 8月22日投開票の横浜市長選挙で、菅義偉首相が全面支援をする小此木八郎・前国家公安委員長がまさかの大苦戦を強いられている。

 自民党の横浜市議36名中30名と県議全員、さらに公明党議員も支援に回るという「自公推薦」に近い盤石の態勢にもかかわらず、立憲民主党推薦の山中竹春・元横浜市立大学教授(共産・社民支援)と現職の林文子市長を引き離せないどころか、期日前投票で山中氏に逆転を許したという情報も流れ始めた。全面支援がプラスになるどころか、小此木氏の票を減らすマイナス要因になっているようにさえ見える。

 そこでラストサンデーの8月15日、桜木町駅前での街宣を終えた小此木氏を直撃、単刀直入に聞いてみた。

横田:菅さんが応援すれば、一気に抜け出るのかと思いました。ところが、けっこう接戦になっているのではないですか。
小此木:選挙というのはそういうものでしょう。
横田:菅さんの不人気がマイナスに働いているということはないですか。
小此木:いろいろな要素が選挙にはあるの。自分をしっかりともって頑張ります。

 小此木氏の苦戦は林市長の善戦の裏返しでもある。15日付の『読売新聞』は「山中氏、小此木氏、林氏横一線」と横浜市長選の情勢を紹介したが、自民党は自主投票ながら36名の市議のうち30名(83%)が小此木氏を支援、残り6名(17%)が林氏支援なのだから、単純計算すれば4倍以上の大差がつくはずだが、実際は両候補が拮抗。自公支持層(保守層)はほぼ真っ二つに割れた結果、基礎票で劣る野党支援の山中氏が一気に追いついて抜き去るとの傾向が読み取れる。

元町「ハンドバッグのキタムラ」社長、菅首相を「ペテン師」と批判
「小此木氏支援の市議30名がフル稼働するとは限らない」と見ていたのが、横浜・元町発祥でハンドバッグ販売を手掛ける老舗「キタムラ」の北村宏社長だ。今回の市長選で林氏の支援を表明したことが『神奈川新聞』で実名報道され、不買運動が起きたというのだ。

 林氏との商店街練り歩きを終えた北村氏に聞くと、「自民党からの締めつけはすごい」と断言する一方、形式的な応援に止まる可能性を次のように話してくれた。

北村:市議30名が実際に(小此木)八郎と書くのか分からない。だって、菅さんの時代ではないじゃない。菅さんが全面支援をしても小此木さんは安泰とは言い難い。(他の横浜市民も)同じことを言うと思う」「(急にカジノ取り止めを言い出した)今回の経過はおかしい。はっきり言って公約違反だよ。『馬鹿にするな』と言いたくなる。
横田:菅さんは怖くないのですか。
北村:全然怖くないよ。「あのペテン師」と平気で言ってやるよ。

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 地元経済界でも菅首相離れが急速に進み、小此木氏への追い風どころか逆風になっていることを物語る。小此木氏と菅首相のカジノ誘致をめぐる方針変更については、「カジノ推進」の旗を降ろさない林氏も街宣で次のように批判していた。

「今まで自民党と公明党とでIR(カジノ)を進めて来たのに、急に『横浜ではやらない』と決めたようです。国の重要な政策だったのになぜ、急に止めになったのか)」

 また林氏支援に回った自民党市議6名も「今まで『IRをやろう』と言っていたのに何の理由もなく、『IRやらない』なんて考えられない」として、菅首相に足並みをそろえなかった。4年前は自公の支援を受けて当選した林氏が今回の市長選では、「『自民党』ではなくて『市民党』になった」「今回の選挙は『政党』対『市民と経済界』という構図」と訴えているのはこのためだ。

 小此木氏はカジノ推進派からは突然の方針変更を批判される一方、カジノ反対の市民からも全幅の信頼を得られていないようだった。

 告示日の第一声で小此木氏は次のように訴えていた。

「『IRを本当に止めるの?』と4割の方々は疑いの眼差しで見ている。恐らく『どうせ菅さんと結託して当選して、ほとぼりが冷めたらもう一回カジノ誘致をやり直すのだろう。前の人(林市長)がそうだったではないか』というのが有権者の正直な思いでしょう」

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