オーストラリアのモリソン首相は23日、ワクチン接種率が上昇すれば、新型コロナウイルス対策として導入した
厳格な制限措置の緩和を始める必要があるとの認識を示した。

同国では、国民の半数以上が8週間にわたるロックダウン(都市封鎖)の影響を受けている。

州境の閉鎖を緩和する連邦政府の計画を巡っては、一部の州が難色を示している。

首相は会見で「いつまでも(ロックダウンを)続けるわけにはいかない。これは持続可能な生活の仕方ではない」と発言。
「(ワクチン接種率が)70%や80%に達しても(緩和)しないなら、いつするのか。(緩和の)準備を進める必要がある」と述べた。

連邦政府は先月、16歳以上の人口2500万人の70%がワクチン接種を受ければ、制限措置を緩和するという4段階の計画を公表、
厳格なロックダウンが必要になる「公算は小さい」との認識を示した。

ワクチン接種率が80%に達した場合は、「非常に的を絞ったロックダウン」のみが必要となり、
接種を受けた人は州境を超えて国内を自由に移動できるという。

ただ、西オーストラリア州やクイーンズランド州は、連邦政府の計画について、
ニューサウスウェールズ(NSW)州で感染が急増する前に合意が成立したものと懸念を表明。

NSW州では過去3日間、新規の感染者が800人を超えている。23日に報告された感染者は818人で、大半は州都シドニーの感染者だった。

ワクチン接種を終えた人は16歳以上の人口の30%。52%は少なくとも1回のワクチン接種を受けた。

接種は過去最速のペースで進んでいるが、完全接種率80%を達成するのは現在のペースで12月以降になる。

NSWのベレジクリアン首相は23日、「完全接種率が80%に達すれば、コロナと共に生きていかなければならない。
デルタ株を根絶することはできない」と述べた。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-australia-idJPL4N2PU13E