新型コロナウイルスの感染が広まるとともに、ワクチンに関するデマもまた広まっている。「ワクチンを打つと磁石が腕にくっつく」「チンパンジーになる」といったわかりやすいデマから、「不妊になる」といった笑いごとではすまされないデマまで、多種多様なデマがインターネット上を駆け巡っているのだ。私たちはこうしたデマから、どのように身を守ればよいのか。ITジャーナリストの高橋暁子氏が警鐘を鳴らす。
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海外で流行するトンデモ系デマ

 新型コロナウイルスワクチンのデマが止まらない。

 「ワクチンを打ったら磁石が腕にくっつく」「ワクチンを打ったらチンパンジーになる」「5Gが新型コロナウイルスを感染拡大」などの、わかりやすいトンデモ系デマを見かけたことがある人も多いだろう。

 感染拡大を落ち着かせるためには、ワクチンの接種率を上げることがポイントと言われている。そのワクチン普及の鍵となるのが、ワクチンに関するデマ防止だ。なぜワクチンについて、これほどデマが広まるのか。デマの見分け方は、どうすればいいのだろうか。

 Instagramで「#magnetchallenge」と検索すると、不思議な動画が多数表示される。動画内では、様々な人達がむき出した腕にスプーンやスパナ、スマホなどの金属でできたものをつけている。中にはおでこや胸などに、スプーンやフォークなどを4、5本もつけて笑っている人もいる。

 これは「マグネットチャレンジ」と呼ばれるものだ。反ワクチン派は、「ワクチン接種者は磁気を帯びている」と主張している。ワクチンによって金属片やマイクロチップが埋め込まれ、金属がつくようになったと主張しており、それがこの動画というわけだ。トンデモ系動画だが、米国ではSNSで大流行してしまった。

 他にも、「アストラゼネカ製のワクチンを打つとチンパンジーになる」というウワサを見かけたことはあるだろうか。アストラゼネカが開発したワクチンは、コロナの遺伝子の一部を無害化したチンパンジーのアデノウイルスに組み込んでいる。このチンパンジーというキーワードのインパクトから「打つとチンパンジーになる」というデマに発展したと考えられるのだ。

 日本でも大学生の間で、友だち同士で「ワクチン打ったから、5Gに接続できるようになったよ」というネタが流行っていると聞いた。さすがに信じている人はおらず、面白半分にネタにしているというのが実際のところのようだ。

 このようなわかりやすいデマならいいのだが、新型コロナウイルスワクチンの場合は、わかりづらく不安に繋がりやすいデマも広まっている。

(略)

8/26(木) 8:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/8b0a0a3ffd140b4dfee5eb0a91b86c27290dcc9e