読売新聞グループ本社は27日、東京本社社会部の男性記者(32)が、検事総長秘書官によるセクハラ疑惑などの取材で得た情報を、週刊誌の女性記者らに漏えいしていたと明らかにした。社内調査に対し「女性記者によく思われたかった」と話しているといい、同社は男性記者を処分する方針。
 同社によると、男性記者は司法担当としてセクハラ疑惑を取材していた2020年8月、秘書官の異動が分かるよう週刊誌記者にメールで連絡。その後、異動が不祥事によるものと電話で示唆し、9月上旬には取材情報の一部も伝えた。読売新聞は記事にしなかったが、週刊誌には9月中旬、不祥事の記事が載った。
 送ったメールには、カジノを中核とする統合型リゾートを巡る汚職事件に関する説明図も添付。男性記者が作成し、紙面掲載前のものだった。男性記者は10月にも、東京地検が起訴した女子大学生殺害事件の被告に関する発表資料を提供。週刊誌に記事が掲載された。
 男性記者は、週刊誌記者と20年7月に知り合った。複数回飲食した際、不適切な関係を迫っていた。テレビ局の女性記者にも検察などの捜査に関わる取材情報を漏らしたと説明しているといい、同社は調査を続ける。
 同社広報部は「取材先の信頼を裏切って報道機関の信用を損ねたことをおわびします。調査を尽くして厳正に処分します」とコメントした。 (共同)

東京新聞 2021年8月27日 10時35分
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