新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ドラッグストアなどで売られている「酸素缶」の買い占めや高額転売が横行している。自宅療養中に呼吸困難に陥る不安が背景にあるとみられるが、本来は登山などの際に使うレジャー用品。医師は「一時的に苦しさが取れるかもしれないが、根本的治療にはならない」と話し、効果を過信しないよう呼び掛けている。

 「コロナに備えて」「持病などで不安のある時に」―。フリーマーケットアプリ「メルカリ」には、こんな紹介文と共にさまざまなメーカーの酸素缶が数千円から数万円で多数出品されている。50本セットが約8万5000円で売買された形跡もあったが、これは店頭価格の2倍以上の値段。メーカーの担当者は「今月に入り酸素缶の問い合わせが急増している。医療用の商品ではないので、買い占めや転売はやめてほしい」と戸惑う。

時事通信 2021年08月27日13時32分
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