いつぞや真夜中、市役所裏の木々が両脇に並ぶ道を自転車で走っていた。
唐突になにか、子猫ほどの重量のものが頭に乗った感触があった。
ひとりだったが、ひゃあああと叫んでしまった。
慌てて自転車を停めるが、もう頭の上にはなにも感じない。
なんだったのか。フクロウかなにかが一時的に頭の上に舞い降りたのだろうか。それとも妖怪のしわざか。