清宮信志2021年9月7日 19:45

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ロボット学者の石黒浩氏が、アバターサービス事業を行なう「AVITA株式会社」を設立した。大阪ガス、サイバーエージェント、塩野義製薬、凸版印刷、フジキンの5社が5.2億円を出資する。

石黒氏は、大阪大学大学院基礎工学研究科教授で、20年以上にわたり人と関わるロボットやアバターの研究を行なっており、自らをモデルにした遠隔操作型アンドロイド「ジェミノイド」を開発している。


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石黒氏(奥)と自身をモデルにしたジェミノイド

AVITA(アビータ)は、石黒氏の長年にわたって行なってきた研究成果を社会に還元することを目的とし、アバター技術を使って社会のあり方を変えていくという。「AVITA」は、アバター(avatar)とラテン語で「生命」を意味する「vita」からなる造語。


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石黒浩CEO(右)と西口昇吾COO

石黒氏は、政府が推進する「ムーンショット型研究開発制度」のプロジェクトマネージャーを務め、その中でアバターの研究開発を先導している。同プロジェクトでは、実現すべき未来社会の一つとしてアバター共生社会を採択し、大阪関西万博でもアバター利用が期待されているという。
アバター共生社会とは「人が身体の制約から解放され、高齢者や障がい者などが知覚能力を拡張し、常人を超えた能力で活動できるようになること」(石黒氏)。会社や学校などがいろいろな国から人が集まる場となる。

現在、SNSを利用している人達は、アカウント毎に違う人格でコミュニケーションを行なえる。TwitterやYouTubeを利用して発信するとき、それぞれ別の人格として発信が可能で、例え失敗しても他のアカウントには影響しない。
しかし、リアルの現実社会では身体は一つ。失敗すればその失敗は自分の身体に紐付けられる。これをアバター技術で変えたいという。

アバターによって、現実世界でもアカウントを使い分けるように、自分の人格を使い分け、性別や年齢、場所などにとらわれず、仕事や趣味をアバター毎に行なえる社会を目指す。

同社が計画してるのは、CGを使ったオンラインのアバターと、現実世界で動くロボットをベースとしたアバターの2種類。会場では、撮影禁止ながらCGで本物の人間さながらのリアルなアバターも一部公開した。
CGアバターでは、声から表情を作り出す技術など、これまでの研究成果を投入し、まずはCGのアバターで人らしいコミュニケーションの実現を目指しながら、市場を探っていく。

     ===== 後略 =====
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