自民党総裁選で高市早苗前総務相(60)が、国会議員票と党員・党友票の双方で善戦している。
討論会などで幅広い政策課題をよどみなく語っていることに加え、安倍晋三前首相が「本気モード」(若手)で支援しているためだ。

決選投票の可能性が高いと見て、1回目に2位以上を死守したい岸田文雄前政調会長(64)の陣営は、焦りを募らせている。


報道各社の情勢調査で、高市氏の国会議員票は、河野氏と岸田氏に次ぐ。
党員・党友票に関する調査でも、河野氏が優勢だが、岸田氏に迫っている。選挙戦の軸と目された両氏の間に割って入る勢いだ。


岸田陣営は危機感を強めている。21日の選対会議では、出席者が「複数の議員が岸田氏支持から高市氏に変わった」と報告した。
中堅は「高市氏の2位もあり得る。脅威だ」と語った。

岸田陣営の複数の細田派議員によると、安倍氏から高市氏支援を求める電話が何度もかかっている。

高市氏が1回目で2位に入ると、「2位―3位連合」で河野氏の勝利を阻もうという岸田、高市両陣営のもくろみは揺らぐ。

岸田陣営にはタカ派色を敬遠する向きも少なくなく、決選投票で高市氏支援に回る保証はない。高市陣営幹部は「河野総裁になるかもしれない」と語った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092101096&;g=pol