2021年9月28日 10時56分

9月29日、日銀の黒田総裁の在任日数が歴代単独トップとなります。それは、戦後の経済復興に大きく貢献し、日銀の「法王」とも呼ばれた人物の記録を塗り替えることでもあります。前例のない“異次元”の金融緩和に踏み切ってから8年半。“歴代最長の総裁”は、日本の経済にどのような成果を残すのでしょうか?(経済部記者 野上大輔)





在任日数は「法王」超え

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一萬田尚登 18代日銀総裁

黒田総裁がトップを更新するまで、歴代総裁で最も在任期間が長かったのは、金融・産業界への影響力の強さからかつて「法王」とも呼ばれた一萬田尚登・18代総裁です。

一萬田氏が総裁を務めたのは、終戦後に占領下にあった1946年6月から、8年余り。就任後すぐさまGHQ=連合国軍総司令部のマッカーサー最高司令官に会談を申し入れ、「日本経済の実情を知ってほしい。ありのままのことを話し、私の意見を言うから、気に入らないことは聞き流しても結構だ」と率直に伝えたとのエピソードがあります。

ドイツが第一次世界大戦後にハイパーインフレ(短期間での物価急騰)で社会が混乱に陥った教訓を踏まえて、就任後まずは金融引き締めを図ってインフレを抑制するなど、戦後の経済の安定化に努めました。一方で、GHQの特別顧問ジョセフ・ドッジが緊縮政策(=ドッジ・ライン)を行うと、日本経済がデフレにならないよう銀行に対する貸し出しを増やして民間に資金を供給するなど、産業の復興も支援。

その影響力の強さから「法王」とも呼ばれ、総裁を辞めた後に大蔵大臣を務めるなど、戦後経済界を代表する人物です。




“異次元緩和”を導入
     ===== 後略 =====
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