アフリカ諸国は「ワクチンのアパルトヘイト」と訴える


3回目の追加接種を行うことによってその地域や国の感染の拡大を収束させることはできるが、
パンデミック(地球規模の感染)を抑え込むのは不可能だ。

9月23日、ニューヨークの国連本部で行われた国連総会の一般討論演説で、
アフリカ・ナミビアの大統領が新型コロナワクチンの先進国への偏りを批判してこう語った。

「3回目の追加接種の人がいる一方で、世界では大勢の人が1回目をずっと待っている。
ワクチンのアパルトヘイト(人種隔離)だ。すべての人が安全にならない限り、だれも安全ではない」

ほかのアフリカ諸国の首脳たちも次々と「ワクチンアパルトヘイト」を批判した。1回目の接種を受けた人の割合は、
ナミビアでわずか全人口の9.6%に過ぎず、アフリカ全体では6.3%しかいない。

これに対し、イスラエルでは70%近くが1回目の接種を終えている。
日本でも50%以上が2回の接種を受け(9月13日の政府発表)、感染者数は8月下旬をピークに急減し、
9月30日には全国で緊急事態宣言とまん延防止重点措置が解除された。

先進国と途上国のワクチン格差は歴然としている。

この格差を減らすため、WHO(世界保健機関)が主導して2020年に発足させたのが、「COVAX(コバックス)」である。
先進国が新型コロナワクチンを共同購入して途上国に分配する国際的な枠組みだ。しかし、現状は資金不足などから十分に機能していない。
https://president.jp/articles/-/50458