自民党の国対委員長に起用される見通しの高木毅氏(65)は、2015年10月発足の第3次安倍改造内閣で復興相に就任直後、週刊誌で「約30年前に地元福井県内の女性宅から下着を盗んだ」とする疑惑を報じられた。さらに、選挙区内で行われた葬儀に香典などを複数回支出していたことも判明。公職選挙法(寄付の禁止)に抵触する疑いもあるとして国会で追及された。

 高木氏は衆参の予算委員会などで、下着を盗んだ疑惑を「記憶にない。事実無根だ」と全面否定。香典の支出については、政治家本人が葬儀などで私費で手渡す場合は公選法で禁じられておらず、「私が自費で葬儀前までに持って行った」と釈明した。高木氏は16年8月の内閣改造で閣僚から外れた。

 政府は17年2月、窃盗疑惑を巡る民進党(当時)の大西健介衆院議員の質問主意書に対し、政治家個人として明確に否定しており、政府として警察の記録を調査する必要はないとの答弁書を閣議決定している。【桐野耕一】
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