※NHKニュース

県議会議長の疑惑の記事めぐる裁判 奈良新聞の敗訴確定 最高裁
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211004/k10013291151000.html

2021年10月4日 20時53分

奈良新聞が3年前に報じた県議会議長の疑惑に関する記事をめぐり、元議長がうその内容で名誉を傷つけられたと新聞社を訴えた裁判で、最高裁判所は新聞社の上告を退ける決定をし「記事の内容が真実だとはいえない」として、賠償を命じた判決が確定しました。

奈良新聞は3年前、当時議長だった岩田国夫県議会議員が暴力団の元組長と親しく交際していたなどとする記事を、7回にわたって1面で掲載しました。

この記事について、岩田元議長がうその内容だと主張して、奈良新聞社に賠償などを求める訴えを起こし、新聞社は「すべて真実で裏付けもとれている」と争っていました。

1審の奈良地方裁判所はおととし「元議長は元組長と2回接触したことを認めているが、接触の経緯などを考えると、以前から親しく交際してきたと認めるのは困難で、記事の内容が真実だとはいえない。掲載され続けたことで政治家としての活動に影響を受けた」と指摘し、奈良新聞社に55万円の賠償を命じました。

2審も同じ判断をしたため、新聞社が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の菅野博之裁判長は4日までに上告を退ける決定をし、新聞社に賠償を命じた判決が確定しました。