0001ごまカンパチ ★
2021/10/07(木) 21:23:32.08ID:bjnCOLed9先週末の夕食に何を食べたか、あなたは覚えているだろうか。そうした「出来事」に関する記憶は「エピソード記憶」と呼ばれる。
そして特定の出来事があった時間や場所を正しく思い出せる能力は、一般に年齢とともに衰えていく。
実は人間だけでなく、イカの一種であるヨーロッパコウイカも、ある種のエピソード記憶の能力をもつようである。
しかも、その記憶力は人間とは異なり年をとっても低下しないとする論文が、学術誌『Proceedings of the Royal Society B』のオンライン版に2021年8月21日付で発表された。
「ヨーロッパコウイカは、どこで何をいつ食べたのかを覚えており、その記憶を使ってのちに餌をとるときの決断を下しているのです」と、
ケンブリッジ大学の研究者で論文執筆者のひとりであるアレクサンドラ・シュネルは語る。
シュネルたちの実験は、マサチューセッツ州ウッズホールにある海洋生物学研究所で実施された。
「驚いたことに、イカたちがこの能力を加齢で失うことはありません。筋肉の機能低下や食欲を失うなど、老化を示すほかの兆候が表れていてもです」
■イカは「我慢」もできる!?
実はシュネルたちの別の研究について、「Ars Technica」は2021年3月に紹介している。
※略
結果として、実験の対象となったすべてのヨーロッパコウイカが、より好物の獲物をもらうために待つことができ、最大で50〜130秒の遅れを我慢できたという。
これはチンパンジーやカラス、オウムなど脳の大きな脊椎動物に匹敵する結果だ。
■イカにもある「エピソード的記憶」
今回の新しい研究では、ヨーロッパコウイカに何らかのエピソード記憶(特定の過去の出来事について、いつどこで何が起きたのかに関するコンテクストと共に思い出す能力)があるかどうかに焦点が当てられた。
人間はこのような能力を4歳ごろに身に付けるが、このエピソード記憶は高齢になると衰える。
※略
過去のいくつかの研究では、ヨーロッパコウイカが餌を手に入れる行為を「未来志向的」に最適化できることがわかっている。
つまり、過去にいつ、どこでどのような餌を手に入れたかの詳細(エピソード的記憶の特徴)を記憶し、状況の変化に応じて獲物を得るやり方を変える能力があるのだ。
■年齢とともに衰えなかった“記憶”
それでは、このような能力は年齢とともに変化しないのだろうか。
シュネルたちのチームはこの問いを探求するため、ヨーロッパコウイカを対象にした意味記憶とエピソード記憶に関する一連のテストを作成した。
ヨーロッパコウイカは寿命が約2年と比較的短いので、こうした研究の候補として最適だ。
シュネルたちは実験に24匹のヨーロッパコウイカを使った。
そのうちの半分は若く(10〜12カ月)、半分は高齢である(22〜24カ月、人間の90歳に相当すると考えられる)。
すべてが海洋生物学研究所で卵から育てられ、それぞれ個別の水槽で飼われてきた個体だ。
研究チームは最初に各水槽の中の特定の場所を示すことにより、ヨーロッパコウイカが視覚的な手がかり(白黒模様の旗)に反応するようにするトレーニングを実施した。
するとヨーロッパコウイカたちは、楽しみを先延ばしできることを突き止めたシュネルの前回の研究と同様に、自分の好きな獲物を選ぶことができた。
生きたグラスシュリンプか、同じ大きさのエビの切り身のどちらかだ。
その後4週間をかけてヨーロッパコウイカたちは、2種類の獲物が旗を振って示される特定の場所において、エビの切り身は1時間遅れて、
イカが好むグラスシュリンプは3時間遅れて与えられることを学習した。
イカが単にパターンを学習しているわけではないことを確実にするために、これら2カ所の餌を与える場所は毎日変えられた。
シュネルたちのチームが驚いたことに、対象となったすべてのヨーロッパコウイカが、年齢に関係なくそれぞれの旗の場所でどちらの獲物が先に現れるかに気づくことができたという。
さらに、その観察結果を利用して、その後の餌やりのたびに自分の好きな獲物がどこで見つかるのかを推測することもできた。
これは特定の出来事を思い出すことに関して、加齢に伴う衰えを示すように見えない動物がいることを示した初めての科学的証拠になる。
この驚くべき能力は、ヨーロッパコウイカが老化で餌を食べなくなったあとも、死亡するほんの数日前まで垂直葉が衰えないからではないかという仮説を、研究チームは立てている。
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