財務省の矢野康治事務次官が月刊誌「文芸春秋」11月号に寄稿した論文で、与野党の分配要求を「バラマキ合戦」などと批判したことについて、政府・与党幹部が10日、不快感を示した。

岸田文雄首相はフジテレビ番組で「議論した上で意思疎通を図り、政府・与党一体となって政策を実行していく。いったん方向が決まったら協力してもらわなければならない」とくぎを刺した。

 自民党の高市早苗政調会長はNHK番組で「大変失礼な言い方だ。基礎的な財政収支にこだわって、困っている人を助けないのはばかげた話だ」と語った。 

 公明党の山口那津男代表は党本部で記者団に「政治は国民の生活や仕事の実情、要望、声を受け止めて合意をつくり出す立場にある。役割は極めて重要だ」と指摘。財源の制約などを「考慮しながらわれわれも行っている」と反論した。


共同通信 2021年10月10日17時54分
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