ルーマニアのタクシー運転手ボグダン・ガバネスクさん(43)は首都ブカレストの病院のベッドで、
2か月に及んだ新型コロナウイルスとの闘いを「地獄にいた」と振り返る。

ガバネスクさんは感染するまで、新型コロナの存在を「信じていなかった」。

ルーマニアは欧州連合(EU)最貧国の一つで、ワクチン接種も進んでいない。
現在「破滅的な」流行の第4波に見舞われており、死者が急増している。

報道やソーシャルメディアの投稿によると、ブカレストと北東部ヤシの複数の病院では、
救急車が列を成し病床に空きが出るのを待っている。

多くの場合、集中治療室(ICU)に空きが出るのは、患者が亡くなった時だけだ。

人口約1900万人の同国の1日当たりの新規感染者は7日、1万4457人に上った。
また、8日公表の統計によると、1日当たりの死者数は385人と、新型コロナの流行開始以来最多となった。

同国のワクチン接種プログラムの代表バレリウ・ゲオルギタ氏は、
昨年3月に流行の第1波に見舞われたイタリア北部で医療が逼迫(ひっぱく)したことを引き合いに出し
「われわれは既にイタリアと同じ道を歩んでいると懸念している」と述べた。

感染者数は今月後半さらに増えると予測されており、
医療機関は「不急の」手術と入院患者の受け入れ延期を要請されている。

ルーマニアではワクチン接種が進んでおらず、これまでに接種を完了したのは対象者の約3分の1にとどまっている。

西部ティミショアラの病院の医師は「われわれ全員が代償を払っている」と語った。

社会学者らはワクチン接種率が低いことについて、ソーシャルメディアで拡散されている陰謀論に加え、
市民の政治不信が背景にあると指摘している。
https://www.afpbb.com/articles/-/3370449

ルーマニア・ブカレストの医療施設の集中治療室(ICU)で治療を受ける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者(2021年10月7日撮影)
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