「財布忘れたので家から取ってきます」若い女はそう言ってタクシー運転手を待たせ玄関に入っていった。
いつまで待っても戻ってこないので運転手は その家を訪ねた。人のよさそうな老夫婦が出てきて言った。
「うちの娘は1年前に亡くなりましたが?」
運転手は背筋が凍り付く思いで慌ててその家を後にした。1年前にひき逃げしてたからである。
しかし老夫婦には確かに亡くなった娘はいたのだが孫娘もいたというのは内緒だ。