OVO 10/14(木) 10:00

 保育園からの使用済み紙おむつの持ち帰り。日本では、慣習でそのまま、というところもあるし、「便からの体調確認」という理由の存在もあって続いているところが少なくない。だが、保護者の負担もさることながら、さまざまな場面での感染症対策が検討される中で、改めておむつの持ち帰りが課題になりつつある。首都圏と関西圏の計361自治体の公立保育園担当者に行った調査 (BABY JOB・大阪市)では、半数近い168自治体(47%)で使用済み紙おむつを保育園で廃棄せずに保護者に持ち帰らせていることが分かった。

 首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)と関西圏(大阪、京都、兵庫、奈良)の361自治体の保育担当者を対象に4月1日〜7月30日に調査。顕著な違いは、関西圏の公立保育園では保護者に持ち帰らせることが常態化していたのに対し、東京23区では持ち帰りゼロだったこと。首都圏全体で「持ち帰り」があるのは209自治体中73自治体(35%)。もっとも多かったのが神奈川で45%、埼玉(40%)、千葉(33%)の順。一方関西圏で持ち帰りが多かったのは、京都(88%)、大阪(65%)、奈良(64%)で、首都圏に比べて割合が高い。

 感染症対策コンサルタントで看護師の堀成美氏は、「感染が広がりそうなものは、触るタイミングや触る人を減らすことが大切。紙おむつを交換したあとはその場で捨ててすぐに手指をきれいにし、家に持ち帰る必要はない」としている。また、新型コロナウイルス感染症対策と子育て支援の一環として、昨年7月から保護者の紙おむつの持ち込み・持ち帰りを無くし全て園での処分に変更した奈良県三宅町の森田浩司町長は、「保護者の100%がおむつの持ち帰りがなくなったことを喜んでいる」としている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fba7d229b5d822b3213af52e8b127082935abe57