今回の衆院選に出馬せず引退した伊吹文明・元衆院議長は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。

 伊吹氏は、「保守は極めて謙虚な思想であって『自分は間違う』ということを根本に置いている」とする。そのうえで、それは必要条件であって、これらを満たすだけで保守というわけではない、と指摘。

 「今に生きている多数もまた間違う。民主主義においても目先の利益であるとか、巧みなアジ演説に惑わされて、ポピュリズム的な意思決定をしてしまうことがある。自由社会や市場経済に任せておくと、自由とわがままを取り違い、強欲資本主義のようなものが出てきて、格差や独占、利益最優先の社会や経済になることがある。それもまた困る」と言う。

 そのうえで、「保守は人が長年にわたって積み上げてきた民族の生き方を身につけることで、誤りを正そうとする。それぞれの民族が長年にわたって、時代に合わなくなったものはあらため、追加しながら、作り上げてきた生き方や規範、すなわち文化をしっかり持つという縦軸だ。矜持といってもいい」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/75203f968f1aceffdbc6bb381d53a9dcea05976c